賃貸物件の鍵を紛失したときの対応は?費用と退去時にやることを解説

賃貸物件の鍵を紛失したときの対応は?費用と退去時にやることを解説

「アパートの鍵を無くしたときに、まず何をすれば良いの?」と疑問を持つ方は多いでしょう。
賃貸物件の鍵を無くしたにも関わらず報告せずに放置すると空き巣などのトラブルリスクがあるため、必ず適切な対処が必要です。
本記事では、賃貸物件の鍵を紛失した場合の対応をお伝えしたうえで、作業にかかる費用や時間・退去時の対処法を解説します。

賃貸物件の鍵を紛失した場合の対応とは

賃貸物件の鍵を紛失した場合の対応とは

賃貸物件の鍵を紛失した場合、まずはその日の行動を振り返りながら心当たりのある場所を徹底的に探してみましょう。
鍵のように小さいものは、記憶が曖昧になったり、誰かに拾われてしまったりして時間が経つほど発見できる可能性が低くなります。
よくあるケースとして、カバンの小さなポケット・本や手帳の隙間・服のポケットなどが多いです。
基本的にはいつも同じ場所に収納する習慣をつけるのが理想的ですが、些細なタイミングで思わぬ場所に収納してしまう可能性もあります。
その日触ったものや鍵を入れてしまいそうなスペースを探したり、1日外出した先に問い合わせをして鍵の落とし物を確認したりしてみてください。
いくら探しても見つからないのであれば、管理会社もしくは大家さんに連絡をします。
賃貸借契約書を確認すると、紛失時の対応について記載されている場合があります。
必須項目ではないため必ず記載されているわけではないものの、紛失時の連絡先が記載されていればスムーズにスペアキーを用意してもらえる可能性が高いです。
管理会社や大家さんへの連絡が終わったら、すぐに警察署に連絡して遺失届を出してください。
落とし物として拾われていれば警察署に届いている可能性がありますが、届いていなくても今後誰かが拾ってくれたときに警察署から直接連絡をもらえます。
遺失届は警察署以外に最寄りの交番でも受理してもらえるため、一番近くにある交番を調べてすぐに遺失届の作成・提出を済ませてください。
近くに交番がなくて遺失届の作成・提出ができない場合は、交番もしくは警察署に電話で問い合わせると、電話越しの窓口で対応してもらえる可能性があります。
ただし、基本的には交番もしくは警察署の窓口で直接作成・提出するべき書類であるため、電話越しでは断られてしまうケースも多いです。
賃貸借契約時に締結した火災保険の種類によっては、鍵の紛失時に24時間対応してくれるサービスが付帯しています。
専用ダイヤルや専用アプリから業者に問い合わせができて、深夜帯であっても駆けつけてもらえる可能性があるため、ロビーなどの共有エリアに電話番号などの問い合わせが記載されていないか確認してみてください。
火災保険に加入していて無料で対応してもらえる場合もありますが、契約内容によっては別途費用が発生するケースもあるため、注意が必要です。

鍵業者を呼んで鍵を開けてもらった場合の作業にかかる費用や時間

鍵業者を呼んで鍵を開けてもらった場合の作業にかかる費用や時間

業者を呼んで解錠してもらった場合の作業にかかる費用相場は、キータイプによって異なります。
先がギザギザしているロータリーディスクシリンダーの場合、1万5,000〜2万円です。
ほかのキータイプと比べてシンプルなデザインになっており、作業工程も難易度が低いため、交換費も安く設定されています。
先に凹凸がついているディンプルシリンダーの場合、1万5,000〜3万5,000円です。
防犯性が高いものの、構造が複雑になっているため、シンプルなキータイプよりも高く設定されています。
室内側と外側に取り付けるタイプの面付箱錠の場合、1万5,000〜3万円です。
集合住宅の物件に取り付けられているケースが多く、部品によって具体的な交換費は変動します。
押し引きで解錠できるタイプのプッシュプル錠の場合、1万5,000〜8万円です。
取り付けられているシリンダーの種類によって部品料金が変動したり、取手本体の交換が必要になったりすると交換費が高くなります。
指でつまみを操作してラッチボトルが引っ込んで解錠されるタイプの装飾錠(サムラッチ錠)の場合、3万5,000〜7万5,000円です。
装飾部分に豪華な部品が取り付けられているほど、部品費が高くなります。
差し込んだりつまみを上げ下げするタイプの引き違い戸の場合、2万5,000円前後です。
部品自体の種類が少ないため、ほとんど相場は変わりません。
電子錠を用いるタイプのカードキーの場合、3万5,000〜7万5,000円です。
部分的な交換が不可能でシステム全体を交換する必要があるため、必然的に交換費が高くなります。
カードキーのほかにパスワードや生体認証の機能がついたものを交換する場合は、より高度な技術が必要で10万円以上の交換費になる可能性もあります。
解錠してもらうための作業時間は、一般的なものであれば15分前後です。
ただし、防犯性の高いキータイプであれば高い技術が必要になったり、解錠の許可が必要だったりするため15分以上かかります。
解錠費用は火災保険などに加入していれば無料で対応してもらえる場合もありますが、保険内容に組み込まれていないのであれば自己負担になります。
営業時間外に業者に依頼する場合は、深夜料金などが追加で発生する可能性もあるため、料金形態・支払い方法を確認したうえで問い合わせをするようにしてください。

退去時に賃貸の鍵を紛失した場合の対応とは

退去時に賃貸の鍵を紛失した場合の対応とは

賃貸物件の退去時には、退去立ち会いの有無によって鍵の返却方法が異なります。
退去立ち会いとは、退去日に大家さんや不動産会社の担当者に物件の引き渡しをする行為であり、荷物の搬送が完了した状態で傷や汚れなど物件状態を確認します。
退去立ち会いが必要な場合、借主が大家さんもしくは不動産会社の担当者に直接返却する決まりです。
退去立ち会いが必要ない場合、管理会社へ持参・郵送・ポスト投函など大家さんもしくは不動産会社の担当者が指摘する方法で返却する決まりです。
返却が遅れると、家賃の超過分の支払い対象になる可能性もあるため、あらかじめ返却方法と返却期日は入念に確認しておきましょう。
入居時には複数本渡される可能性がありますが、1つでも紛失してしまったのであれば、まずは入念に思い当たる場所を探してください。
それでも見つからないのであれば、紛失した時期がわからないとしても警察署もしくは交番で遺失届を提出します。
紛失していて家に入れない状況であれば、管理会社・不動産会社・大家さんに連絡をしてスペアキーを借りて家の中に入ります。
入念に探しても見つからなかった場合は、借主の負担で交換費用を支払うのが原則です。
賃貸借契約書に鍵を紛失した場合の費用・ペナルティ・保険などの記載があれば、その記載内容に沿って対処する必要があります。
交換費用はキータイプによって1万〜10万円ほどです。
オリジナルキーや防犯性の高いタイプは、部品代が高くなるため、交換費も高騰します。
紛失した事実を伝えるのに抵抗があるとしても、個人の判断で勝手に鍵を交換したりスペアキーを作成したりするのはリスクがあります。
退去後に勝手に鍵を変えたり増やしたりした事実が発覚すると、窃盗・侵入などの疑いがかけられる可能性もあるため、必ず管理会社などの指示に従いましょう。

まとめ

賃貸物件の鍵を紛失したときは、できるだけ早く思い当たる場所を探して、管理会社などへの連絡と警察署での遺失届を出します。
火災保険のなかに鍵を紛失したときのサポートが含まれている場合もあるため、無償で鍵の解錠と交換をしてもらえる可能性があります。
ただし、自己負担になるケースも多いためできるだけ大事に保管して、無くしてしまったのであれば賃貸借契約に記載された規定に沿って対処するようにしてください。